レッスン4(風景画)

Lesson.2

ハッチング技法を使って、透明感あふれる風景画を描いてみよう

線を同じ方向に、平行に、細かく引いていくことで色付けをしていく「ハッチング」技法。「木々や山、空や雲を描くのにも適しています」と教えてくださったのは、イラストレーターで色鉛筆画家のオガワヒロシさんです。空の透明感や、山や木々の優しい陰影などオガワさんの描いた尾瀬の風景はすべてハッチング技法で描かれたもの。緩急をつけたストロークなど描き込み方などに着目。オガワさんの制作過程を参考に風景画を楽しんでみましょう。

Pick up Colors

  • DL-5 緑青(ろくしょう)
    VERDIGRIS
  • D-17 仙人掌(さぼてん)
    CACTUS GREEN
  • EX-3 木賊色(とくさいろ)
    SCOURING RUSH

DL-5は、植栽の基本色として単色でも使え、黄色や青色と混色することでさらに多彩な表現が可能に。D-17は、中間色として濃度、彩度のバランスを調整するのに活躍。EX-3は、濃く塗り重ねても植物の自然な陰影を表現できます。

Point 1 空気の流れを意識して空は大きく

空を描くときは、大気がどのように流れるかを意識して大きなハッチングで描いていきます。上を濃く、下を薄めに塗っていくと広がりが出てきます。雲の周りは光が乱反射するので、いろいろな方向からハッチングしていきましょう。

Point 2 遠くの山はあえて描きすぎない

尾瀬のシンボルである燧ヶ岳(ひうちだけ)は、山のシルエットをしっかりと取り、大きなストロークでハッチングします。描きすぎると、作品全体のバランス調整が難しくなるので、形状がわかる程度に。

Point 3 遠方の木々はシルエットのように

遠くの木々、特に針葉樹は細かいストロークでハッチングしていきます。近景で描きこむことを意識して、遠景は単色で陰影も加えすぎないようにしましょう。遠くのものは彩度を低く、近くのものは彩度を高くを意識して。

Point 4 近景は強いハッチングで描きこむ

近景を力強いタッチで描きこむことで、遠くの山がより遠くに感じられるようになります。木々の間を若干塗り残すと光が当たっている雰囲気に。枝や幹の影は紫系統の色を使用しています。

風の流れや遠近感を、平行線と緑の濃淡で美しく表現

色鉛筆画家/イラストレーター オガワヒロシ

風と光を感じる色鉛筆画制作にて活動中。著書「新色鉛筆技法」日貿出版 「塗り絵からステップアップ~自分の色鉛筆画を描こう!」玄光社 他