元祖「パンダ」は
レッサーパンダ!
基本情報
分 類 | 哺乳綱・食肉目・レッサーパンダ科 |
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大きさ |
体長50〜70cm 尾長30〜50cm |
重さ(体重) | 3〜6kg |
分 布 |
中国、インド北部、ブータン、ネパール、 ミャンマー |
寿 命 | 8〜10年 |
レッドリスト カテゴリー |
危機(EN) |
レッサーパンダの分布図
中国、インド北部、ブータン、ネパール、ミャンマー
ハローネイチャーのどうぶつたちの
レッドリストカテゴリー
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DD データ不足 DATA DEFICIENT
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LC 低懸念 LEAST CONCERN
ハンドウイルカ
タテゴト
アザラシオジロジカ
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NT 準絶滅危惧 NEAR THREATENED
コウテイペンギン
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VU 危急 VULNERABLE
コアラ
チーター
ライオン
ホッキョク
グマ -
EN 危機 ENDANGERED
レッサーパンダ
ラッコ
アフリカゾウ
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CR 深刻な危機 CRITICALLY ENDANGERED
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EW 野生絶滅 EXTINCT IN THE WILD
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EX 絶滅 EXTINCT
レッドリストは、絶滅のおそれのある生物種リストです。
IUCN(国際自然保護連合)は、地球規模での生息状況等をもとに独自の基準で評価しています。
レッサーパンダの
とくちょう
01 体のとくちょう・習性・性格のはなし
二本の足でじょうずに
立てるよ
かわいいあばれんぼう
ヒマラヤから中国南西部に分布する食肉類。主としてササやタケが豊富な標高1500~4800mの山岳地域の樹上で暮らし、夜行性です。食物の90%近くはササやタケの葉ですが、果実が実るシーズンには好んでそれを採食し、また鳥の卵や昆虫なども食べます。ヒマラヤと中国南西部の個体群は別亜種とされていて、頭部の毛色などに違いがみられます。かつてはクマ科やアライグマ科に入れられたこともありましたが、最近では独立したレッサーパンダ科の唯一のメンバーと考えられています。
二本の足で立つ姿がかわいくて評判になったレッサーパンダですが、実はわりと強い気性を持つ動物です。繁殖期だけオスとメスが出会い、普段は単独生活をするので、縄張り意識がとても強いのです。二本足で直立する姿は、遠くを見渡すように警戒している行動なのです。
02 誕生・子育て、家族のはなし
あそびながら育つ
レッサーパンダのこどもたち
1月~3月の繁殖期以外は単独生活です。6月ころお母さんは巣穴で通常2頭、多くて4頭を出産します。生まれたときには目は開いておらず、灰色の毛でおおわれています。18日ほどで目が開き、2か月ほどたつと巣の外で子どもレッサーパンダ同士が遊ぶ姿が見られます。1年ほどでほぼ親と同じサイズに成長します。
みんな知ってる?
どうぶつマメ知識
レッサーパンダと同じ「パンダ」の名を持つジャイアントパンダはクマ科の1種です。これら2種の「パンダ」はササなどの植物質を主食とする点で類似していて、その採食のための特徴として、前足の種子骨が大型化して第六の指ともたとえられる突起を形成しています。この突起があるために、ものを手で握るように持つことができています。そのためジャイアントパンダと近い種の動物として認識されていたこともありました。レッサーパンダの発見は1820年代のことで、ジャイアントパンダはそれよりも40年程遅れるので、元祖「パンダ」はレッサーパンダの方であるといえます。ジャイアントパンダの発見により、「パンダ」という名前がまぎらわしいため、”より小さい”という意味を持つ”レッサー”をつけて、レッサーパンダという名前になりました。
文・監修
国立科学博物館 動物研究部 研究主幹 川田 伸一郎(専門分野:哺乳類)