かわいいのに、実はマッチョ!
コアラ
基本情報
分 類 | 哺乳綱・双前歯目・コアラ科 |
---|---|
大きさ | 65~82cm |
重さ(体重) | 4〜15kg |
分 布 | オーストラリア東部 |
寿 命 | 10〜13年 |
レッドリスト カテゴリー |
危急(VU) |
コアラの分布図
オーストラリア東部
ハローネイチャーのどうぶつたちの
レッドリストカテゴリー
-
DD データ不足 DATA DEFICIENT
-
LC 低懸念 LEAST CONCERN
ハンドウイルカ
タテゴト
アザラシオジロジカ
-
NT 準絶滅危惧 NEAR THREATENED
コウテイペンギン
-
VU 危急 VULNERABLE
コアラ
チーター
ライオン
ホッキョク
グマ -
EN 危機 ENDANGERED
レッサーパンダ
ラッコ
アフリカゾウ
-
CR 深刻な危機 CRITICALLY ENDANGERED
-
EW 野生絶滅 EXTINCT IN THE WILD
-
EX 絶滅 EXTINCT
レッドリストは、絶滅のおそれのある生物種リストです。
IUCN(国際自然保護連合)は、地球規模での生息状況等をもとに独自の基準で評価しています。
コアラの
とくちょう
01 体のとくちょう・習性・性格のはなし
かわいいのに、
実はマッチョ!
コアラはカンガルーなどと同様お腹に育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋を持つ有袋類の一種です。双前歯目に分類され、コアラ科のコアラ属を構成する唯一の種です。
近縁種にはウォンバット科のウォンバットがいますが、この2者の顔はよく見ると確かに似ています。ウォンバットが地上徘徊性なのに対してコアラは樹上性でこれらは生活環境を分けた2種といえます。
コアラはフワフワとした毛におおわれていて柔らかそうに見ますが実際は筋肉質で、木登りで体を支えられるように強くて長い手と足を持っています。コアラの樹上適応性はその足先にも特徴がみられます。前足の指は親指と人差し指が残り3本の指と対向するようになっていて、後足の指は親指が他の四指と向かい合う配置になっている母指対向性で、木の幹や枝をしっかりつかむことに適しています。
02 誕生・子育て、家族のはなし
お母さんにべったり
コアラの赤ちゃんは
あまえんぼう
オーストラリアの春(9月)から秋(5月)にかけて繁殖し、お母さんコアラは35日ほどで一頭の赤ちゃんコアラを出産します。生まれたばかりの赤ちゃんコアラは1グラム未満で、赤裸であらゆる器官が未発達です。唯一、多少は発達している前足を使って、お母さんコアラの体を這い登り、お腹にある袋に達します。同じ有袋類のカンガルーもおなかの袋の中で赤ちゃんを育てますが、袋の出入り口は逆で、小さく生まれるコアラは袋の中に到達しやすいように下向きになっているのです。
それから赤ちゃんコアラは6か月ほどお母さんコアラのおなかの袋の中で過ごしたのち、外に出てユーカリの葉を食べるようになります。
それでもしばらくはお母さんコアラにしがみついて生活します。子どもをおんぶしているかわいらしい親子コアラの姿は有名です。
みんな知ってる?
どうぶつマメ知識
コアラは、ほとんど木から降りることはなく、しかも1日のうち18〜20時間は眠っています。これは主食であるユーカリの葉に毒成分が含まれていて、これを無毒化するのに時間を要するからだと考えられています。
文・監修
国立科学博物館 動物研究部 研究主幹 川田 伸一郎(専門分野:哺乳類)