株式会社トンボ鉛筆(本社・東京都北区、社長・小川晃弘)は、風景、植物、生き物など身近なシーンが描きやすい実用色を集めた36色の色鉛筆セットを、色鉛筆画家・河合ひとみ※1さんの監修で発売します。
選んだ36色は、おとなの色鉛筆として1988年に発売し、直近の塗り絵ブームで改めて人気を呼んでいる「色辞典/IROJITEN」(1~3集/全90色)の中からよく使う26色を選び出し、これに10色の新色を加えました。
塗り絵やスケッチなどのアートブームの中で色鉛筆等の画材は多色化する傾向にありますが、当社は使う色を、使いやすい36色にセレクト(厳選)して提供します。
商品名は「色辞典36色セレクトセット」で、発売日は10月3日。希望小売価格は税込4,968円(税別4,600円)。新色を含む全色は単色(1本)でも販売、価格は1本税込129円(税別120円)です。販売は全国の文具店、画材店、書店文具コーナー他です。年間販売計画(セット品のみ)は約1万セット、約4千6百万円(小売価格)です。
本製品の内容物は、・色鉛筆36色/本、・フルオープン形式の紙製ケース、保管用カバー付、・付録:ミニ削り器、色明細書、ミニ活用辞典です。
■使う色をセレクトした36色
本製品は絵を描くのに求められる実用色を、使いやすい36色にセレクトしました。
当社の調査では、色鉛筆で描いているものトップ3が風景、植物、生き物であることから、これらを描くのに適する主に自然色をセレクトしました。具体的には、緑色系は鶯色や緑青(ろくしょう)など5色、藍色・紫色系は天色(あまいろ)や紫根(しこん)など7色、また花や実を描く赤色・ピンク色系は蘇芳色(すおういろ)や珊瑚色(さんごいろ)など8色と充実。また、各色はグラデーションが描きやすいよう連続性にも配慮しています。
新色として本製品から加わった色は、烏賊の墨色(いかのすみいろ)、緋色(ひいろ)、卵色(たまごいろ)、木賊色(とくさいろ)、深海(しんかい)、山葡萄(やまぶどう)、アネモネ、牡丹色(ぼたんいろ)、小豆色(あずきいろ)、銀鼠(ぎんねず)の10色で、これらは色鉛筆になかった色と色名です。色辞典1~3集の90色と、今回の「色辞典36色セレクトセット」の新10色を加えて当シリーズは計100色になりました。
■使いやすい36色 フルオープンケースとアクセサリー
本製品のケース外形はほぼ記念アルバム大の幅242mm、奥行322mm、厚さ24mmで、本棚などに立てて保管できます。上蓋を開けると36色全色が広がるフルオープン形式です。スケッチしたい対象物を見ながら、最適な色が選べるよう配慮しました。
ケースはほとんどを紙製にしたため650gと軽量です。また、缶ケースと異なりセットを置いた時、オープンした時、鉛筆を選んだ時などの動作音が出にくく、スケッチに集中できるよう配慮しました。保管用カバー付です。書籍で函(はこ)と呼ばれる紙製のカバーにケースを収納して保管します。
付録として、色鉛筆用「ミニ削り器」、色の呼称と由来を解説した「色明細書」、色鉛筆画のコツがわかる河合ひとみさんによる「ミニ活用辞典」=写真右=をセットしました。
(色辞典とは)
「色辞典/IROJITEN」は、自然色と(80年代後期から90年代の)流行色を色鉛筆で再現し、呼べなかった色に「呼び名」を与え、色の由来を解説。これを10色ずつトーン別(彩度と明度を統一し色味を変化させた調和色)に紙製ケースに収納して30色を1セットにした鉛筆セットです(単色も販売)。1988年に第1集を、90年に第2集を、92年に第3集を発売、計90色です。
発売当時は、教材の色鉛筆(日本工業規格準拠)と多色の画材用が販売されていましたが、おとなの感性を満たす色をセットした色鉛筆はなく、女性に人気を博し色鉛筆ブームを創りました。
時代は進み、ぬくもりのある色鉛筆画の画風と、これに打ち込むときのアートセラピー効果が話題になり、多数の塗り絵本の発刊と共に世界的なアートブームが巻き起こりました。これを広めたのがInstagram※2やTwitter※3で、デジタルとアナログが融合することでいま過去に例のないスピードでアートの拡散と大衆化がすすんでいます。
当社は色鉛筆が“使われる”時代に入ったと考え、各々のアートマインドを満たす実用色を河合ひとみさんとセレクトした「色辞典36色セレクトセット」を発売します。
※2 Instagram 「#colorpencil」 https://www.instagram.com/explore/tags/colorpencil/?hl=ja
※3 Twitter 「#colorpencil」 https://twitter.com/search?q=%23colorpencil&src=typd
☆:新色
※1 色鉛筆画家・河合ひとみさん プロフィール
東京外国語大学ロシヤ語学科卒。1970年代初頭、趣味として鉛筆や丸ペンで描いていた細密画を色鉛筆で描く。大学卒業後、会社勤務、英語講師も体験。その間もイラストの仕事を続ける。
現在、朝日カルチャーセンター、毎日文化センター他、東京都及び神奈川県で色鉛筆画の講座を多数担当。講座の受講生との作品展「色鉛筆の可能性」を都内で定期的に開催。色鉛筆に関する著書多数、地元語で海外でも出版されている。
ホームページ http://www.pencil-work.com/
「色辞典」を使用した河合ひとみさんの作品