のりの雑学
日本ののりの歴史
わが国に紙が伝来してきたのは610年(推古18年)であると言われ、紙が民間に普及し始めたのは平安時代以降で、紙の切り貼りもその頃からと推定されます。
のりの歴史はたいへん古く、7~8世紀に織物の仕上げに米やふのりが使われたのが最初だと言われています。ただし、腐りやすく保存がきかないので、作ったらすぐに使う必要がありました。その後材料や形態は少しずつ変わっても、のりは腐るもの…という状況は変わりませんでした。
現在のようにでんぷんのりが容器に入れられて売られるようになったのは、明治になってから防腐剤が開発されたため、と言えます。明治32年に、初めて瓶入りのでんぷんのりが売り出されました。
ヨーロッパでは動物の骨から作るニカワが広く使われてきました。反面、米の文化が無かったため、でんぷんのりはほとんど普及しませんでした。日本には昔から障子があり、これに紙を貼るにはでんぷんのりを水で溶いた物を用いるのが最適である、とされています。のりにも文化の差が反映しているといえます。