トンボ鉛筆100年史 page 75/98

トンボ鉛筆100年史

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トンボ鉛筆100年史

現本社ビル年の生涯だった。親族による葬儀の後、8月6日に東京會舘ローズルームでお別れの会が執り行われた。隆司第4代社長は1948(昭和23)年、立教大学の経済学部経営学科を卒業、大学では相撲部に所属、頭角を現した。同年春トンボ鉛筆に入社、59年の長きにわたって重責を担い、トンボ鉛筆の飛躍的成長に貢献した。3カ年で社長を後進に譲って会長に就任したのちは日本鉛筆工業協同組合の第15代理事長に推挙、1996年、その業界での功績により勲五等旭日双光章を授与された。また、警視総監賞を2回受賞、逝去後、内閣総理大臣から正六位が追授された。3期連続の増収を果たす2007年の日本は不況のさなかにあり、業界も前年割れの状況にあった。そうしたなか、トンボ鉛筆は3期連続の増収を達成した。年央に身を震わせる出来事があったが、好決算を収めることができたのは、ひとえにお得意先、お客様をはじめとする皆様の支えのおかげであった。トンボ鉛筆は、さらなる信頼確保のために、事業と業界への精励を誓った。ベトナム鉛筆工場の建設Tombow Vietnam Ltd.に自社設計の鉛筆生産ラインを導入する構想は2007年春に立ち上がった。翌2008年夏には建屋が完成し、秋から操業を開始、鉛筆生産の2拠点化を図った。それまでの生産基地だった新城工場から多くの専門技術者がベトナム工場に出向いて、100年余の歴史が育んだトンボ鉛筆の仕様と品質観を伝授し、ベトナム工場はそれに意欲と情熱をもってこたえた。従業員たちの丁寧な仕事ぶりと豊かな感性によって、ベトナム工場が新城工場と並ぶ、優れた鉛筆の産地として世界に名を馳せる日も近い。MONO zeroAirPress75トンボ鉛筆100年史