トンボ鉛筆100年史 page 69/98

トンボ鉛筆100年史

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トンボ鉛筆100年史

第5章創立100周年、そしてグローバル企業へ2003?201321世紀という新たな時代の幕があがった。2001(平成13)年、国は「聖域なき構造改革」を掲げ、景気は外需主導の回復局面に入る。しかし、「いざなみ景気」と呼んだ2002年からの好況は、生活実感の乏しいものだった。2008年、「100年に一度」という世界同時不況「リーマン・ショック」が日本を襲う。それまで世界経済を主導してきた日米欧の経済的地位は揺らぎ、中国をはじめとする新興大国が存在感を増した。その後、世界各国でも政権交代が相次ぎ、日本でも歴史的な政権交代を経験した。2010年に表面化した欧州債務危機は、いまだ解決のめどが立たず、欧州不安が世界に拡大している。日本経済が世界同時不況から脱しつつあった2011年3月11日、日本観測史上最大規模のマグニチュード9.0という巨大地震「東日本大震災」が発生する。津波による被害は甚大で、福島第一原子力発電所事故とともに、戦後最大の国難となった。平穏な暮らしを揺さぶったこの危機は、人々の心に、そして暮らしに大きな変化をもたらした。トンボ鉛筆では、新世紀に入ってまもない2003年3月、社長交代があった。就任した小川晃弘社長は、10年後の100周年をめざしてトンボ鉛筆のグローバル化を図るべく、メーカーが担うべき社会使命を熟考する。21世紀初頭の消費シーンは猛烈なデフレ圧力のもとにあった。国産では到底太刀打ちできない、外国産品との価格競争を強いられ、国内のモノづくりには焦燥感と脱力感がにじんでいた。しかし、トンボ鉛筆はメーカーとしての理念を明確にし、この時代に立ち向かい、コアコンピタンスの確立に拍車をかけていく。2013年2月、トンボ鉛筆は、満を持して創立100周年を迎える。そしてトンボ鉛筆は、創業の精神に立ち返る。69トンボ鉛筆100年史